「養鶏をやりたい!」と思って早2年と少し
突撃訪問した市内の養鶏場で「自分で飼うのが早いよ」とアドバイスを貰い
小さな庭で21羽のホシノブラックを飼い始めたのが2021年1月。
2年経つ今も、本格的な養鶏場はできていません。
この間ずーっと、育児に家事に畑作業に追われているのはもちろん、
たっくさんの壁にぶち当たっているのです。
少しずつ、本当にゆっくりと、ナメクジが這うようにその壁を越え、、
ようやく向こうが、、見えて、、きそう…?
ってな状況になってきて初めて、このブログを書いています。
今日は、サナショクが目指す養鶏(詳しくはこちら)を実現するために
超えるべき壁の数々をご紹介します。
現在地を(「まだそこで躓いてんの?」と)共有できればうれしいです。
壁①放牧場をどこにつくるか問題
ここは静岡市。大都会とは言えないまでも、次々と農地が宅地に変わる
開発の進む地域です。そう、農地が減っているのです。
こんな場所で農業をしていると、以下のような問題が出てきます。
・そもそも農地がない(貸し手を自力で探す必要がある)
・雄鶏や雌鶏のお産鳴きで眠れない人が出てはいけないので、
住宅地からある程度の距離が必要
・とはいっても、地域の人にとって身近な場所にしたいので
あえての市街地でやってみたい
・自宅から近い場所でないとこっこたちのケアが難しい
なんてわがままな!
壁を高くしているのは自分です!
でも、地主さんを突撃訪問したり(これしか手がないのです泣)、コミュニケーションを地道にとっていて、少しずつ借りられる面積が増えてきました◎
壁②「卵だけとってさようなら」にしないために
ちょっと重たい、でも大事にしたい話。
通常の養鶏場は、雌だけを大量に仕入れます。
この過程でまず、雄のひよこは廃棄されてしまう。
平飼いや放牧を謳って、アニマルウェルフェアを掲げてはいても、
この問題のクリアは難題です。というか、仕入れて飼うだけなら「雄のひよこを廃棄」する過程には関与しなくて済むので案外簡単なのかもしれません。
決して否定するわけではないです。皆それぞれの養鶏スタイルでやっています。
ただここを見て見ぬふりをするのであれば、こんな非効率的な養鶏をする理由はなくなってしまうから。
そうなると、
・雄は育ててどうするの?→お肉にします。
・お肉として販売するのに許可は?→必要です…。
・許可はとれるの?→設備を整えるのは不可能ではないです。ただ…
・生きた鶏をお肉にするには「食鳥処理衛生管理者」という資格が必要
となるなのです。ところがこの資格、獣医師や畜産学等を終了した人、実務経験が3年以上あることなど、要件があって社会系の学部を卒業している私は該当しないので、現状自力ではお肉にできません。
そして、静岡県内にはサナショクのような養鶏場の食鳥処理を請け負ってくれるセンターがどこにもなかったのです(聞き込みを重ねること数か月、ついに光が)。
現代の鶏肉の生産過程は、簡単に言うとブロイラーという短期間で育つ種を大量に飼育し、大規模な処理場でラインに乗せ、お肉の大量生産をするのが一般的。今は生きた鶏から加工する精肉店はほとんどないのです。
壁③自家製餌の材料を手に入れる事
サナショクでは鶏の餌は自家製で、地域産または自家農場の米・米ぬか・おから・魚アラ・しいたけ菌床・野菜などの材料を使っています。
何百という数の鶏を養っていくにはそれなりの量も必要。
これらの入手にも奔走しています。
壁④放し飼いって大丈夫なの問題
2022年冬~はこれまでにないほど、鳥インフルエンザが流行っています。
野鳥(渡り鳥)の糞に接触したり、接触した人の靴から感染したりするようです。
放し飼いでは野鳥と接触する機会が出来てしまうので、安全とはいいがたい…。
実は、放し飼いは条例で禁止とされていることも多く、実際に静岡でも「放し飼いは絶対にしないように」と言われています。
サナショクでは、「放牧」と表現していますが、決して野放しにするわけではないのです。
広い畑を隙間なくネットで囲う必要が出てきます。横も上も。
広ければ広いほど、その作業は大変なものになってしまうのです…!
この辺についてはこれから課題をクリアしていくことになります。。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
複雑で面倒ですよね。本当はまだまだあるんですよ。やれやれです!
でも課題をひとつひとつクリアしていくのも楽しい作業。
今しかできない経験。
皆さんにもシェアできたでしょうか?
引き続き、サナショクの現在地をお伝えしていきます。
ぜひ、お付き合いくださいませ!