サナショクの農業

Sanati Shokudoは静岡市駿河区にあり、市街化の進む街です。私たちは2021年より、農業に決して向かないこの地で、あえて農業をすることを決心しました。現在、少しずつ農地を拡大しながら、固定種野菜をメインに、年間約140品種を農薬や除草剤を使わずに栽培しています。

 

<市街地で農業をする理由>

ここ静岡市は市街地のため、農地があまりありません。時々あっても、荒廃した茶畑か、水はけが悪く借り手のいない田んぼくらい。サナショクでも就農当初から一番苦労しているのが農地の取得です。何度も地方への移住という選択肢が頭をよぎりました。ただ、それでもこの市街地で農業をしたいと考える理由は、「人が集える地域の食堂+農場+養鶏場」をつくりたいから。子育てをしながら毎日フルタイムで会社勤務をしていたころから「そんな場所があったら最高」と思っていたのです。農地の規模拡大には時間がかかること間違いなしですが()その中でも目指すものに近づけるよう、チャレンジを続けます。そして、ご近所の方、ぜひ農地を!貸してくださいませ。新鮮な野菜&卵で恩返しいたします◎

 

 <固定種という選択>

  Sanagi Shokudoでは、主に固定種(ときどき交配種)の種をまき、野菜を育てています。理由は単純で、農家が昔から自家採種を続けて繋いできた、という野菜のルーツ、ストーリーがおもしろいということ(名前も格好いいんです)。その流れの中に参加できるのもまた面白いと思うのです。

育てやすさや流通のしやすさ、きれいさなどではF1種(交配種)が優れていることもあり、これも種のプロたちが生み出した素晴らしい技術のひとつで、決して「危険」などと言われるようなものではありません。実際にサナショクでは「これはおいしい、食べたい!」と思ったものはF1種でも躊躇なく栽培します。

そのため、野菜セットを購入くださる場合は、固定種だけではないこともある、ということを受け入れてくださればうれしいです。

 

<農薬を使わないという選択>

Sanagi Shokudoでの野菜づくりには農薬は使いません。農薬を使わない農業は、使う場合に比べてより観察や工夫が必要です。例えば葉物野菜を育てるには、虫の活動がもっとも減る厳寒期以外はほぼ100%、防虫ネットをかけてやります。それでも、網目の隙間からアブラムシが入ったり、土の中からヨトウムシが出てきたり、裾の空いたところからコオロギが入ったり…虫食いのないきれいな野菜をつくるのは本当に難しい!菌による病気だって出ます。

それでも、風通しはどうか?気温は?湿度は?土の状態は?さまざまなポイントから原因を推測し、より元気な野菜づくりにつなげていくその作業がとっても面白いのです。 

 

地域ではさまざまな人がそれぞれのスタイルで農業をしています。当然ながら周りには農薬や除草剤を使っている農場もあります。そのため、風に乗って少量の農薬が流れてくることもあるかもしれません。「農薬を使っていない」とは言っても、100%農薬が付着していないことを保証するものではないことをあらかじめご承知おきください。